そのヒトダマのようなものは、フワンとしていて、とても軽そうだ。

本音をいうと、それを追いかけて、行けるだけ行ってみたいけれど…

果たして、どこに連れて行かれるのか、わからない…

それにただそこを、漂っているだけなのかもしれない。

なので、それを見極めよう…と、ただ黙って、その鬼火の方を見つめていた。

 青白い炎は、こちらを見ているようだ。

そうして、恭介をいざなうように、時折炎をチラチラと揺らめかせる。

まるで、こっちにおいで、

こっちにおいでと、手をヒラヒラするように、

フワフワと浮き上がったり、下がったり、回ったりしている。

 

 初めはそのことに気付かなかったのだが…

いきなりその青い炎が、フワッと舞い上がると、恭介の真上をグルグルと回り、

それからスゥッと前方へと進む。

「まさか…ついて来い、ということなのか?」

恭介の問いに、まるで「そうだ」とうなづくように、クルクルと2回回った後、

スゥ~ッと、先に進んだ。

(まさか、案内してくれるのか?)

だがそれが、本当なのかは、知る由もない。

信用する、しないは、本人の自由なのだが…

全く次の手が、手詰まりの恭介にとっては、渡りに舟という状態だった。

(だが…大丈夫か?)

不安なことはそうなのだが。

(まぁ、やばかったら、逃げればいい)

今の恭介にとっては、信じるしか、選択肢はなかった。

 

 

 

 

 

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