「ほら、これだよ!」
四角い小さな黒い箱を取り出す。
「ほぉ~」
大げさなほど、オジサンは目を丸くしてみせる。
「なるほど!何かのスイッチのように見えるなぁ」
赤いボタンは…いかにも押してもらいたそうで、指をのせそうになる。
「オジサン!それは…」
裕太はあわてて、その手を止めた。
「ね、ドッカーンとならない?」
急に心配になって聞くと、
「うーん、どうだろう?」
やってみないと、わかんないなぁ~とオジサンはニヤニヤとした。
それは、あのドローンのリモコンなのか?
それとも何かのスイッチなのか?
下手にさわっても、大丈夫なのだろうか?
裕太はじぃっと、オジサンを見る。
「さぁ、それは…ボクにも、わかんないなぁ~」
あっさりと明るい声で、そう言った。
オジサンは、知らないのかぁ~
何かを期待していただけに、裕太はガッカリとする。
(でも、どうしてここに、これが?)
まだ目の前にある、小さな円盤が気になる。
「だから…これは、ボクのだよ!」
この場に及んでも、まだ ジュンペイは言い張る。
「まだ、そんなことを言ってるのか?」
さすがにうんざりとした顔をすると…
「あっ、ショウコもあるよ。
あの円盤、裏返してみて!」
ね、見て見て!
やけにグイグイと、ジュンペイがおしてくる。
「えっ、なに?」
どうせ適当なことを、言ってるんじゃあないの?
裕太は疑う。
だけどジュンペイはまだ、裕太に押しやるようにして、
「だから、見たらわかるって!」
かなり強気だ。
でも…なんでそんなに、見え透いたことを言うんだ?
半信半疑で…それでもその円盤を裏返して、言われるままに見ると…
何かシールのようなものが、そこには貼ってあった。
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