(何と調べたらいいんだ?

 ホテルの名前は?)

 だが…待てよ。

 もう廃業しているホテルなら…

 調べても、載っていない可能性もある…

(しまった! 橋本に、ちゃんと教えておけば、よかった!)

そう思い、あわててメッセージを送る。

『すまん!きちんとした住所がわからない』

そう送ると、すぐに返信が来た。

『大丈夫!ゴーストホテルという名前で、ネットで話題になってる』

 

 ゴーストホテル?

恭介は、携帯から顔を上げた。

確かに・・・ミステリースポットを探せ、とは言われたけれど、

そんなことは聞いてはいない。

(やられた~)

彼はすぐにそう思う。

(こんなの、誰にでも出来る仕事じゃあないか)

要は、彼をお払い箱にしようという、魂胆が見え見えだ。

 だが彼は怒る気にもなれない。

それならば、徹底的に調べてやろうじゃあないか…!

 

 駅に着くと、すぐにコンビニに立ち寄って、とりあえず目ぼしいものを

カゴに放り込む。

ビール

(おっと、二日酔いだと、寝坊するかもしれないな!)

あわてて棚に戻す。

(あとは、何か腹に入れるものを…)

納豆、豆腐、コーヒー

たばこ、スナック菓子

パン…

ポンポンポンと目に付くと、カゴにおさめると…

思いの外、買い込んでしまった。

(しまった!現金を下ろしていない)

あわててATMにカードを入れると、残金がわずかだと表示される。

(くそっ!何が何でも、もとを取らなくては!)

幽霊ホテルどころか、自分が干上がってしまう。

(いざという時は、アイツに金でも借りるかぁ)

久し振りに、気分が高揚するのを感じた。

 

 

 

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