(ホントーに、ここがボクの家なのか?)

 思わずタクトは、ドアを閉めて、もう1度部屋番号を確かめようと、反射的に

ドアの外へ出ようとしたくらいだった。

 

「おかえりなさい」

 靴を脱いで、スリッパに足を通すタクトに、エラは声を投げかける。

いつもは恥じらって、そんな真似はしないのだけど…

少しでもきれいになった部屋に気付いて欲しい…と、純粋に思っていたのだ。

「ただいま」

振り返るなり、エラを見ると、

「えっ」と固まる。

そもそもこの娘の顔を、よく見た覚えがない…

彼女を拾った昨日は(自覚はないのだが)酒が入っていたし、

今朝も急いでいたので、じっくりと見た記憶がない。

だから一瞬、そこに立つ人は何者なんだ?と、顔を真っ赤にする…

無理もない。

モールでかなり時間をかけて、粘った後…

「これ、いい!絶対、びっくりするよ」

ユリカさんが選んだワンピース。

驚かせよう…と、張り切って、目一杯、エラをオシャレさせたのだ。

「こんなに可愛いんだから、もっとオシャレをしなくちゃあ」

もともと目鼻立ちが、クッキリハッキリとした、西洋人形のような顔立ちを

しているので…

エラのことを、着せ替え人形のように、

(リアルバービーよりも可愛い!)と幾分興奮して、

とっかえひっかえユリカさんは、散々楽しんでいる。

着替えるエラは、かなり疲れてきたが・・・

「すごいわ!あなた…なんでも着こなしちゃうのね!

 もしかして、読者モデルとか?」

感嘆の声を上げる。

白い肌に、少し明るい色の髪。

すんなりとした長い手足。

女の子ならば、誰でも…憧れるような体形なのだ。

 

 

 

 


 

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