「ユーレイって…」

 女の子はちょっと不満そうに、

「他にも、言い方があるんじゃない?」と言うけれども、

ニコニコと、ケンタやタカシくんや、メアリーさんや、ケイさんの方を見つめます。

 

「やっと…会えたね」

最後にもう1度、メアリーさんを見つめると、

「思ったよりも早く、私のこと、見つけてくれたのね」

嬉しそうに言いました。

それでもけげんな顔をして、離れたところで見ていたカイくんですが…

「ひえっ」

やっぱり気味悪そうに、カイくんは声を上げます。

「しぃ~っ」

ケンタたちはあわててカイくんを、取り押さえるようにしました。

ここで騒がれて、せっかく会えた女の子が機嫌を悪くして、消えたら水の泡…

なぜだかケンタは、そう思います。

 頼むから、静かにしてくれよ…と、ケンタはカイくんを見ました。

メアリーさんも、ケイさんも、まったく怖がることもなく

「あら!こんなトコにいたのねぇ~」

ひどく懐かしそうな顔をして、しみじみと女の子を見ます。

怖い、というよりは、まるで懐かしい幼なじみの友人に会った…

という、ごく自然な表情なので、ケンタも何だか安心しました。

「ここ…まだあったのねぇ」

メアリーさんは珍しそうに、辺りを見回します。

 

 1面の花園は、他の庭とはまた違う雰囲気があり、

なぜなのだろう…とケンタは不思議に思いました。

 

 

 

 

 

 

 

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