メアリーさんのひと言に

「えぇっ?」

悲鳴のようなどよめきが起きました。

何事があったのか、ようやく事情が呑み込めた様子のタカシくんが

声を上げます。

「なんだよ、それ~」

だけどまだ…カイくんは、何を言っているのか、わかっていない様子。

「何がって…ここはホントーは、ないはずなのよ」

「なに言ってんだよぉ。

 ここにちゃーんと、あるじゃないかぁ」

すぐにもうしっかりと、問題の庭に、足をチョンとカイくんは踏み入れています。

さらに全く動ずることなく、視線の先にあるベンチに向かって歩いて行きます。

その後ろ姿を見ると、ケイさんはただただ

「うそでしょ?」と繰り返すばかりです。

メアリーさんだけは、ようやく落ち着いた表情で、

「そうね、これはちょっと…あり得ないわよね」と言いつつ、子供たちを見ます。

「一体、どういうことなんだよぉ」

先を行っていたカイくんは、急に振り返り、怒ったように戻って来ます。

するとメアリーさんは余裕の顔で、

「君たち…オバケって、どう思う?」

なぜだかニコニコしながら、カイくんの方を向きました。

 

「はぁ?」

何を言ってるんだよ、頭がおかしいのか…と言わんばかりに口をとがらせます。

「そんなもの…あるわけないだろ?」と笑います。

するとメアリーさんは、動ずることなく、ケラケラと笑いながら、

「そう?オバケを見たこと、ないの?」

むしろ哀れむように聞きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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