もう1度、玄関へと向かうと、今度はどこへ行くのだろう…
不審に思いつつ、歩きます。
ケンタたちの怪訝な顔に気付いたのか、
「それじゃあ、今度は違う所へ 行ってみようか?」
ことさら明るい声で、ケイさんは後ろの子供たちに向かって、
声をかけました。
黙ったまま、コクコクとケンタたちが首を縦に振ると…
クスリとケイさんは笑うと、
「わかったわ!
ならはぐれないように、ちゃんとついて来てね」
勝手口の側の門をすり抜けました。
「ちぇっ」
いつもは先頭を走るカイくんが、今度はのろのろと、その後ろに
ついて行きます。
実はもっと…この家を見ていたかったんだろうなぁ~
カイくんの後ろ姿を見て、ケンタは思います。
「ここって…つながっているんだよね?」
こそこそと、ケンタがタカシくんにささやくと…
「そうなんじゃない?
あの庭につながっているんだろうねぇ」
ため息のように、颯太は静かに言います。
そういえば…この家の周りの塀は、ずいぶん長くて、広かった…
と思い出します。
端から端まで延々と…どこまでも長く続いていて、
一体どのくらいの広さなのか、見当もつかなかったのです。
今向かっているのは、どこなのかわからないけれど…
少し好奇心を刺激されたのか、
「庭かなぁ?」
「温室?」
「もしかしたら、新しい家?」
などと全く、好奇心を隠すことなく、ひそひそと話し合いました。
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