「うわぁ~おいしそう!」

 ケンタが歓声を上げると、メアリーさんはニッコリと微笑んで、

「どうぞ、召し上がれ」

そう言うと、紙コップに茶色い液体を注ぎます。

ケンタたちが話している間にも、カイくんは1つ目のパンを食べ終わり、

すぐさま2つ目に取り掛かっています。

よほどお腹が空いているのでしょう…物も言わずに平らげると、

メアリーさんに向かって、無言で差し出しました。

「あらあら、よっぽどお腹が空いたのねぇ」

メアリーさんは嬉しそうに笑うと、

「はい」と、あらたについだ、紅茶の入った紙コップを差し出します。

 

「ちょっと熱いから、気を付けて」

メアリーさんがそう言うと、パッと出した手を、カイくんは一瞬引っこめます。

それからカイくんは目を丸くしたまま、コクリとうなづくと、オズオズと

受け取りました。

手にした途端、ゴクゴクともの凄い勢いで飲み干したので、

「熱くないの?」

その様子を見て、思わずメアリーさんが聞くと、顔を真っ赤にしたまま、

もう1度、コップを差し出しました。

 

 カイくんが3つ目のサンドイッチをほうばる頃に、ようやくケンタたちも

1つ目を食べ終わるところでした。

「おいしい!」

そうケンタが思わず言うと、メアリーさんは嬉しそうに

「そう?それはよかった」とニコニコと微笑みます。

「ごめんなさいね、もっとたくさん作ってくれば、よかったわね」

ふと見ると、最後の一切れに、カイくんが手を伸ばしたところ…

ケンタとタカシくんは顏を見合わせると、

「うん…別にいいよ」

ニコヤカに笑って、答えました。

 

 

 

 

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