「ねぇ、今頃…母さんたち、大騒ぎだよね?」
タカシくんが、ケンタの耳元に顔を近付けると、コソッとささやきました。
ちょっぴりくすぐったいなぁ~と我慢して、
「うん」とうなづきます。
「きっと…探しに来てくれるよ」
明るい声で言いながら、
(まさか、トトロの猫バスではないだろうけど…)と思うと、思わずクスリと
笑いました。
「おまえたち~なんで、この部屋で寝てたんだ?」
突然、カイくんがドアからぬっと顔をのぞかせると、思い出したように
聞いてきます。
「夜中に、おしっこに起きたら…誰もいないから、置いてきぼりに
なったかと思って、焦ったんだゼ~!」
大きな声で、不満そうに唇を突き出しました。
「まさか、おまえたち!」
急に思いついたように言います。
「おまえたちだけ、残りのキャンディ、食べたんじゃないだろうな?」
飛びつかんばかりに、こちらに近付いて来るので、
「ないない、それはない!」
あわててケンタとタカシくんが、一緒に手を振るので、ケンタは
なぜだか笑い出しそうになります。
それでも、ケンタに近付いて来るカイくんに、ケンタはようやく
起き上がると、ベッドの側に投げ出していた通園バッグに
手を伸ばしました。
ファスナーを開けて、中をのぞき込むと…
確かにまだ、キャンディーがきっかり3つ残っていたので、
少しホッとしました…
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