散々ケンタたちが騒いでいるというのに、家中がシンと静まり返り、
物音ひとつしません。
「ここって、誰も住んでいないよね?」
思わずケンタは、タカシくんに確かめずにはいられません。
だけど、もちろんわかっています。
タカシくんだって、知っているわけではない…ということを。
「うーん、そうなんじゃないかな?」
これまでも人の気配もなかったし、不思議な女の子以外は…
(ケンタにしか、見えていないようですが・・・)
おそらくそうなのだろうけれども、その割には思いのほか
きれいなので、もしかしたら人の出入りは、あるのだろう…と
思うケンタです。
そうは思うものの…それでももしも、誰かがいたとしたらどうしよう?
少し ビクビクするケンタです。
すっかり臆病風に吹かれて、腰がひけてしまいます。
すると、先に立ったカイくんが、
「なにしてるんだ?」
しびれを切らして、ドアの所までやってくると…
ケンタたちの様子を見て
「なんだ おまえ! こわいのかぁ~?」
からかうように笑います。
顔を少し赤らめると、ケンタはそれでも口をとがらせると
「そんなこと、ないよぉ」
強がりを言います。
それでも…タカシくんと、しっかりと手をつないで、ぴったりと
くっつきます。
「やっぱり、こわいんだぁ~」
大げさに肩をすくめると、カイくんはもう1度、部屋の中に
飛び込みました。
バタン、とカイくんがドアを閉めるので…
ケンタはいやいやドアのノブに、手を伸ばしました。
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