逃げろ、
逃げろ
逃げろ~!
裕太の中の何かが、頭の中で繰り返し叫んでいた。
この人が、何かとてつもない秘密を…後ろ暗いもの…を隠しているぞ…と
裕太は直感で、感じていた。
走り出す裕太の後を、颯太もあわてて追いかける。
「ねぇ、なんで逃げるの?
まだなんにも、探してもいないのに!」
追いかけながらも、不満そうに訴える。
颯太はどうやら、裕太より…肝が据わっているらしい。
そんなことにも、裕太は驚いていた。
それでもとりあえず、神社の階段の下まで降りて来ると…
裕太は何やら一呼吸を置こうと、立ち止まった。
無我夢中で追いかけてきたけれど、確かにまだ…
何も探してもいないのは、事実だ。
「あのおじいさん、怪しい!」
ようやく裕太が、モヤモヤを言葉にすると
「それは、わかってるけどさぁ」
不満そうに、颯太がもらす…
「もう少しいたら、何か手がかりが、見つかったかもしれないのに!」
やっぱり悔しそうに言うと、
「でも」と裕太は付け加える。
「帰してくれたら、いいけどな…」
何だか意味深な言葉を、ポツリと言った。
案の定、颯太はイヤな顔をしていた。
それはわかっている。
何か企んでいるのだ…
でも、裕太の中では、自分のカンが、
怪しいものには、近付くな、と言っているのだ。
どうしたものか、と思っていると
颯太が思いがけないことを、口にした。
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