「そっかぁ~」

 ケンタは何事か納得したように、大きくうなづくと、

「あのね、母さんが言ってたんだけど…」

みんなを励まそう…と、明るい声を出します。

「もしも、迷子になったなら、下手に動き回るよりも、じっとその場で

 待ちなさいって言ってた!」

そう言うと…カイくんはみるみる顔をしかめます。

「それ、早く言ってくれよな!

 もう充分、動き回ったじゃないかぁ」

ケンタに向かって、口をとがらせて抗議します。

「それにさ!そんなこと言って、もしも誰も来なかったら…

 どうするんだよ?」

ケンタを責めるように、詰め寄るので、ケンタは言葉を失って後ずさりを

するのでした。

 

 だけどもタカシくんだけは、ケンタの方を見るとうなづいて、

「いや…それは正しいと思うよ」と、言います。

まだうなるようにして、腕組みをしたまま、カイくんがまだこちらを

見ているのにも関わらず、ケンタはぐっと両手を握りしめて、

手をプルプル震わせながら

「おそらく そのうち…母さんたちが心配して、探してくれるかもしれないし。

 今頃、メアリーさんに、きっと連絡が行くはずだ」

それでもきっぱりと、言い切りました。

《メアリーさん》という言葉に、ケンタは

「あっ!」と声を上げると、

「ねぇ、メアリーさんが、きっと言ってくれるはずだよ!」

思い出したように言いました。

 

 

 

 

 

にほんブログ村 小説ブログ ノンジャンル小説へ
にほんブログ村
人気ブログランキング