こんばんは!

暇人です。

今日は、不安定な空模様で…

小雨が降ったり…

どんより曇ったりの天気でした。

風が冷たくて、中々お布団が暖まらなかったり。

布団から出るのが、嫌だったり…

クリスマスが終わったとたん、

年末に向けて、まっしぐら!

何だか、取り残されぬよう、

がんばりたいと思います。


みなさんは、どんな休日でしたか?

お忙しいとは思いますが、

無理をしないよう、お気をつけ

くださいね!



さて!
クリスマスストーリー、いたしましょう。
いよいよフィナーレです。

 

 

 

 

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  ミツキちゃんとサンタクロース 9

   ハルトくんの約束通り…まるで合宿をしてるみたいに、二人は一緒にご飯を食べて、まるで本当の兄妹のように…
楽しく過ごしました。
今は…布団の中で、息をひそめています。

実は…寝る前に、ハルトくんはある仕掛けをしていました。
ミツキちゃんは、それを珍しそうな目で、見ていました。
そうして、ニコニコしながら…
いたずらっぽい顔をして「しいっ!」
指を口許に当てると…
その時を待ち構えました。

ミシミシミシ…
足音が響いてきます。
まだ半分寝ぼけている、ミツキちゃんの
肩を軽く触れて、二人はじっとしています。
居間の前に、足音が止まると…
ゆっくりとふすまが開きました。
ハルトくんの指が、キュッと力がこもると…
ようやくミツキちゃんの目も、しっかりと見開かれました。
「来る…」
 かすかにつぶやくと、ゆっくりと
人影が近付きました。

 居間のカーテンの隙間から、月明かりが
差し込んでいます。
ふすまの隙間から、赤いサンタの格好をした人影が見えました。
ピシリ…
何かを踏む音がしました。
「ぎゃっ!」
何者かが、声を上げました。
ピシ、ピシ、ピシ…
何か固いものを、踏む音がします。
「何?」
サンタは…足を持ち上げ、その踏んだ物を払い落とします。

月明かりに照らされて…
畳一面に、キラキラひかる丸いものが
敷き詰められています。
「なに?ガラス?」
サンタは、しゃがみこむと…
落ちている物を拾います。
平べったくて、丸い…
「おはじき?」
サンタはつぶやくと、チラリ…とミツキちゃんを見ます。
ミツキちゃんが、遊んでいて、こぼした…
と思っているようです。

サンタは、そのおはじきをザッザッと、
乱暴にかき集めると、
それを避けて、ようやくまた、近付きました。
来る…
ハルトくんは、ぎゅっと手を握りしめました。
サンタは、大きな袋を抱え直すと、
ミツキちゃんの方に、近づきます。
ミツキちゃんは、ドキドキしながら、
目を限界までギューっと閉じます。
ドキドキして、心臓が止まりそうです。
ゆっくりと、袋の中身を、置いた時!
ハルトくんは、すかさず飛び起きました。
「メリークリスマス!」
叫んで、立ち上がると…
「ぎゃっ!」
サンタが、よろけて転びそうになりました。
「ミツキちゃん!起きていいよ!」
そう言うと…
「あっ!待って!」
サンタが、あわてて叫びました。

ズデン!
大きな音がして…
サンタクロースの格好をした、男が
尻餅をつきました。

「何やってんだ?こんな夜中に!」
突然、声がして…
パアッと明かりがつきました。
いきなり明かりがついたので…
ミツキちゃんも
ハルトくんも
もちろんサンタも!
目がくらんで、チカチカしました。
「あーあ、何だ?こんなに散らかして!」
声の主が、入ってくると…
サンタの格好をした男に、手を貸しました。
「ミツキちゃん!ごめんね。
  起こしちゃって」
体を屈めて、のぞき込んだのは…
この家の主の善行でした…
ミツキちゃんは驚いて…眠気も吹き飛んだようです。

「お前~サンタクロースぐらい、ちゃんとやれよな!」
善行が起こした相手は…
「あっ!おじさんは…」
ハルトくんが声を上げました。
善行は、「しぃっ!」と口に指を当てると、チラリとミツキちゃんを見ます。
ミツキちゃんは驚いた顔で、善行の顔を
じいっと見ているので…
ハルトくんは、それを察して、うなづきます。
「メリークリスマス!」
サンタは、そう言うと…慌てたように
部屋を出ていきました。

「ダメじゃないか!サンタが姿を見られたら!」
善行は眉をしかめると、ミツキちゃんに
優しい声で
「ごめんね!起こしちゃったね。
  もう寝ていいよ!」
と言うと…ミツキちゃんの体に、布団をかけてやりました。
ハルトくんは、笑いたいのをこらえながら、
「ミツキちゃん!サンタさん、ホントにいたね!」
そう言うと…自分の枕元に置いてある
包みを見て…また、クスリと笑います。
(これじゃあ、正体がバレバレだよ)
ミツキちゃんの枕元にも、大きな包みが。
その包装紙は…地元の人には、なじみのある包み紙でした。
ミツキちゃんは、また眠そうに目を閉じましたが、ハルトくんは体を起こして、
布団の上で、あぐらをかいています。
そこには…山崎酒店としっかりと印刷された、包み紙で包装された、プレゼントが
置いてありました。
(おじさん!詰めが甘いなぁ~)
そう心の中でつぶやくと、静かに善行の
側に近寄って、おはじきを拾うのを
手伝いました。

「あんなことしたのは、ハルトくんかい?」
ミツキちゃんが、再び眠りに落ちたのを
確認すると、善行は小声で聞きました。
ハルトくんは、黙ってうなづくと…
「じゃあ、これはなに?」
おはじきを拾う、手を止めて…
善行は、手のひらを見せます。
月明かりを浴びて…おはじきは、キラキラと光ります。
「ホントはね、ビー玉にしようかと
思ったけど…危ないと思って」
ちょっぴり得意そうに、ハルトくんが言うと…
「それは賢明だ!」
笑いをこらえて、善行はハルトくんと
目を見合わせます。
二人はしばらく無言で、おはじきを拾います。

「おじさん、ありがとう」
全てを計画した男の子は、多少の失敗はあったものの、協力してくれた善行に
キチンと頭を下げました。
明日の朝…
ミツキちゃんは、きっと喜ぶことでしょう。
そして、明日の朝、ずっこけたサンタクロースは、湿布のにおいをさせて
現れることでしょう…


これで、この話はおしまい。

次からは、また善行さんのお話に戻ります。
ちょっぴり、しり切れとんぼになりました。
最後まで、読んでいただき、ありがとうございました!


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