近付いて来た先生は苦笑いして、タカシくんのお母さんに
申し訳なさそうに、頭を下げます。
その反対に、ケンタたちは大はしゃぎで、
「じゃあ、計画通りに行くぞ~」
カイくんが嬉しそうにはしゃぐのを、大人たちは横目で見ています。
「さぁ、バスに乗るわよ」
門の所で、そう宣言する、タカシくんのお母さん。
「えっ、自転車じゃないの?」
驚いた顔で、タカシくんが聞くと、お母さんは当然、という顔をして、
「3人も乗れないでしょ?
どっちみち、バスで帰るつもりだったし」
そう言うと、バス停へと向かい、歩き出しました。
「車じゃないんだなぁ」
カイくんが言うと、
「ごめんね、オバサン、ペーパードライバーだから」
急いでいるのか、スタスタと歩く、タカシくんのお母さん。
置いてかれないように、ケンタとタカシくんは、あわてて追いかけます。
「バスはねぇ、あと5分で来るから、みんな、ちょっと急ぎましょ」
子供たちを振り返って言うと…
カイくんが突然、走り出しました。
それを見るとタカシくんは、
「カイくんって、車が好きなんだよね」
のんきに言うと、「なるほどそうかぁ~」
ケンタは納得して、うなづきました。
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