時子さんは、杖をついて、ゆっくりと歩くので…善行はそれに合わせて、
隣りに寄り添うようにして歩きます。
意図するつもりはないけれど、エスコートするような形になってしまいます。
結局は、みんなでゾロゾロ歩くのも、目立つというので、
先頭は幸次郎。
その後を、克也とよっちゃん。
最後尾に、みんなよりも遅れを取った、善行と時子さんが続きます。
この前、来た時よりも、遠くに感じるのは…足取りが遅いせいか、
それとも、これから起こる事への、不安なのか…
それは、わかりませんでした。
「大丈夫ですか?」
善行が声をかけると、時子さんは、ニコリと笑うと、
「大丈夫よ!」と言います。
言葉のウラハラで、それでも少し、顔がこわばっているのが見えました。
善行は、精一杯笑って見せると…
「とても気さくな人達です」と言いました。
「本当に、人形があったの?」
確かめるように、時子さんが言うので…
善行はうなづき、
「柱時計と一緒にありました」
と言うと、時子さんは無言でうなづきました。
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