裕太は黙って、じいちゃんに抱きすくめられると、
「じいちゃん、今までどこへ行ってたの?」と聞いた。
するとすぐ側で
「おじいさんを責めないであげてくれ」
という声がして、じいちゃんの背後から、突然先生の姿がケンタの前に
現れた。
「えっ?なんで?」
驚く裕太。
なぜなら、来週にならないと、まだ来れないと、聞いていたからだ。
「どうして?まだ連絡が来ないから、まだかと思ってた!」
少し責めるような顔をした。
すると先生は苦笑いすると、
「なんとか夏休みを取ったんだ。それで、颯太くんも誘って、
ここへ来たんだ」と言うと、
「裕太!」
先生の陰から、颯太の姿が躍り出た。
「ソウタ~、颯太じゃないかぁ!」
裕太はあまりにも驚いたので、思わず声が裏返る。
うれしくて、うれしくて…
支えるじいちゃんの手をはねのけて、颯太の方へ
走って行こうとした。
すると颯太の方が、裕太の所まで走ってきて、
「ゆうたぁ~おまたせ!やっと来たよ~!」
満面に笑顔で、裕太に駆け寄った。
その側で、岸本先生は、ニコニコ笑っている。
「おじいさんを責めないでくれ。
おじいさんは、君を驚かせたくて、今まで言うのを黙っていたんだ」
と言うと、じいちゃんは「そうだ」とうなづいた。
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