「みんな、いなくなったんだなぁ」

裕太はしみじみと言う。

仙人も、おばあさんも、老人も、みんなみんな、いつの間にか自分たちの

前から、姿を消して行った・・・

 

「調べたいこと、たくさんあるんだ。

もしかしたら・・・何か見つかるかもしれない」

裕太がそれだけ言うと、

「それ、ホント?」

颯太のはずんだ声が、やけにはっきりと、響いてきた・・・

もどかしくて、電話ではすべてを話すことさえ、できなくなってしまう・・・

じいちゃんと母さんも、安心したのか、裕太の側に寄って来る。

じいちゃんはニコニコして、

「うちに泊まってもらいなさい」

裕太にささやきかける。

なので裕太は、「うん」とうなづくと、

「ねぇ、いつまでいるの?

うちに来れそうなら、寄って!」と言うのがやっとだった。

そんな裕太の様子に気付いたのは、やはり母さんで。

チラリと、困った顏の裕太を見つめた。

 

 

 

 

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