ケンタの様子に気付いたのか、
「おいで!」
メアリーさんは、手を振ります。
プイッとそっぽを向いて、カイくんは部屋の中へ、引っ込んで
しまいました。
「あらあら」
メアリーさんはつぶやくと、今度こそケンタが、タカシくんの手を
引っ張って、こちらの方へやってきました。
ケンタとタカシくんは、仲良く手をつないで、近付いて来ると、
「いいところへ行こう!」
早速声をかけます。
嬉しそうにする2人の顏を見ると、メアリーさんもつられて笑顔になります。
だけど、先ほどのカイくんが気になるのか、
「カイくんは、相変わらず?」
と聞いてみます。
するとケンタはうなづいて、
「あいつ、ちっとも近付いてこないんだ!
もう誰も、相手にしてないよ」
そう言うと・・・メアリーさんはうーんとうなり、
「こっちは、ダメかぁ~」
ひとり言を言いました。
だけど子供たちは、メアリーさんのひとり言など、まったく
気にならないようです。
「いいところって、どこ?」
ワクワクした目付きを向けて、はずんだ声で、ケンタが聞くと
今度はタカシくんが身を乗り出して、
「メダカを探しに行くの?」
嬉しそうに聞きました。