その時、タカシくんはじぃっと、ケンタの方を見ていました。

先生がカイくんに近付く時、コソッと

「ケンタくんは、どうしたいの?」

と聞きました。

ひどく落ち着いた顔をして。

ケンタ自身は、自分の気持ちがうまく整理がつかなくて、

「わからないよ」よつぶやきました。

 

 先生はカイくんに近付くと、なにやら話しかけています。

それを、ケンタとタカシくんと、教室のみんなが黙ったまま

見つめながら、「うーん」とうなりました。

いとも簡単に、このもつれた気持ちの糸を、ほぐすことが出来たなら・・・

きっと、何か気の利いたことが、言えるのですが・・・

そんな芸当は、まだケンタたちには無理でした。

まだ、幼過ぎるのでしょう・・・

ただ、ケンタは思います。

どうして、みんな仲良く遊べないのだろう。

大好きな仲間たちが、ギクシャクするのが、どうにも耐えられない・・・

なんでなのか、理解できないのです。

ようやく、近付いて来たカイくんが、また貝殻のように、閉じてしまって、

今朝見たところに、行ってしまった・・・

もう打つ手がないのかなぁ

ケンタは、一生懸命考えました。

あのお兄ちゃんなら、簡単に答えが見つけられるでしょうに・・・

 

あの後、どうなったのか・・・

まるで、魂が抜けたように、歌を歌うのも、うわの空・・・

子供たちもなんだか、異分子がいるかのように、落ち着きなく

キョロキョロとしています。

先生は困った顏をしましたが、そのうち時がたてば、

解決するだろう・・・と、触れないでおきました。

たったひとりの仲良しのタカシくんも、なんだか遠く感じられて・・・

ケンタはひどく寂しく感じました。

 

 

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