このところ、何の手がかりもなく、いたずらに時が流れていて、若干
焦っていたのも真実でした。
ニヤリ、と幸次郎は笑って、
「少しばかり、時間がかかったけど、やはり《知る人ぞ知る》ってやつだな」
と、得意そうに言います。
こうなると、みんなかないません。
あっさりと降参です。
「さすが、幸次郎だな」と善行が言うと、克也もよっちゃんも
うなづきます。
そんな幸次郎、満更でもないようで、
「そりゃあもう、エサをばらまいたからな」と言うので、
「なんだ、そりゃ?」
頭の切れる人間は、一歩間違えると、変人にもなり得ますからね。
わけのわからぬことを・・・と戸惑うみんなを尻目に、
「人形を探しています、と書いたのを、SNSにあげたら、結構な勢いで、
反応が来たからな」
そう言いつつ、
「試しに、見てみるか?」と言い、
例の人形のアップと、この人形を知りませんか、というタイトルと、
有用な情報提供者には、抽選で、謝礼も検討中、という画像を
善行たちに、示しました。
すると、話しているわずかな時間に、次々と書き込みが更新されて、
中には、目撃情報だの、続々と寄せられてきていました。
「ほらね、こんなのでも、食いついてくる人はいるからなぁ」
嬉しそうに言うと、チラリ・・・と目を走らせました。
そんな様子を、感心したように見ていた善行。
「なるほどねぇ」と、大きくうなづいています。
「それって、あれかい?オタク?」と聞くと、
幸次郎は、「そうだなぁ~」と、少し考えているようでした。
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