「そのテーブル、あったっけ?」
部屋の中央に据えられたしゃれた、装飾用テーブルを見て、
善行は聞きました。
「あ、そこの隅で、ほこりをかぶってたの、持ってきました」
ピアスの若者が言います。
「こんなだったっけ?」
それでも、見覚えがない善行。
うちにあるのは、古道具のおんぼろ机だったはず。
すると、ピアスの男の子は、ニヤリ・・・と笑い、
「ちょっと、化粧、してやりました」と、こともなげに言います。
ぶこつで、なんの色気もなかった机を・・・ペンキを塗り、少しダメージ加工をほどこし、
角を削り、天板も少し小さくして、まったく別物に作り替えたのです。
「いや、すごくいいよ!新品みたいだ」
と、ほめそやすと・・・若者は照れ臭そうに、顔を赤らめて、小さな声で
「ありがとうございます」
と、ささやきました。
見た目は、チャラくて遊び人風。
でも、純朴な、真面目な働き者・・・と判明して、善行としても、期限を切らずに、
まだまだ来て欲しいくらいでした。
ホント言うと・・・いなくなると困るくらいでしたが・・・彼らにも生活があり、
本業の仕事や学業がおろそかにならないようにと、妥協するしかありません。
せめても、と謝礼に金を包もうとしたら・・・
すでに、克也から金をもらったから・・・
と言って受け取りませんでした。
それでも、色々と重宝がられていました。
見た目に似合わず、真面目な青年たちだったのです。
