「このあたりの子は、みんな、あの小学校を出ているんだ」
じいちゃんは、楽しそうに言う。
そこで裕太は、(もしかして?)と思い、アルバムに写る子供たちの顔を、
丹念に調べ始めた。
唯一、知ってるのは、この顏だ。
相変わらずのクリクリとした瞳は、今も昔も健在だ。
裕太の目が、吸い寄せられるようにして見ているので・・・じいちゃんは
すぐに気付き、
「若いだろ?ワシにだって、こんな時期があったんだ」
と言うと・・・裕太はなんだか、不思議な気分になる。
もちろん わかっているのだ・・・
じいちゃんにだって、ばあちゃんにだって、子供の頃があるんだ・・・
ということは。
だけど、あんまりピン・・・とこないのだけれど。
「じいちゃんはなぁ~これでも、神童だって言われたんだぞ」
と言うと、案の定 裕太は不思議そうな目付きで、じいちゃんを見つめる。
ちょっぴり得意気なじいちゃんは、
「なんじゃ、知らんのか?」と、少し不満そうに、鼻を鳴らした。
「これでもな、かけっこは、誰にも負けなかったし、子供の頃は・・・
頭のデキもよかったんだ。
まぁ、田舎の学校だから、たかがしれてるけどね。
将来は、どんな大人になるか、楽しみだって、言われたものだ」
そう言うと、写真に手を伸ばした。
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