それは、ほんの数秒のことだったけれど、ケンタにはもっと長く見えました。
ショータは、バタバタとアヒルのように、足を動かしましたが、ストン・・・と
メアリーさんに、受け止められました。
何が何だかわからない・・・ショータはそんな目をしました。
先生ももちろん同様で、駆け寄った時には、ショータがメアリーさんの
手で、地面に下ろされていました。
あまりの早わざに、唖然として、先生は思わず、
「一体、何者なんですか?」
と、メアリーさんを見ました。
するとメアリーさんはウィンクして、
「だから言ったでしょ?
私は、魔法使いだって!」
冗談めかして言うと・・・
「へ?なんだそれ!」
ショータは、不気味なものを見るように、素早く逃げると、
憎まれ口をたたきました。
だけれど、メアリーさんが近付こうとすると、腰が引けて、逃げ出しそうに
しています。
メアリーさんは、かまわずショータの目を見つめながら、
「いい?お年寄りは大切に!・・・と言っても、私は、おばあさんじゃあないけどね!」
と言うと、ショータはたまらず「うわっ」と言って、跳ねるようにして、
駆けだしました。
「もう、悪さをしたらダメだよ!」
その背中に声をかけました。
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