「すごいなぁ」

善行は、このずいぶん落ち着いた雰囲気の男の子に、

心底感心して、本音を漏らすと・・・

「なんだったら、キミの家でも、マネしてみたら?」

などと、思わず言ってしまいます。

すると少年は、困った顏をして、

「ボクには、無理だよ」

と、急におとなしくなり、そわそわし始めました。

「こんなの、大したことないよ」

耳にピアスの穴を、いくつも開けた若者が、作業する手を止めて、

歯をむきだしにして笑います。

「こんなの簡単だよ。

 なんだったら、ホームセンターで、出来あいのものを、買って来たっていい」

と言うと、少し得意気に、鼻の下をこすりました。

そんなささいなひと言も、少年にとっては、かっこよく映ったらしく、

子供たちは尊敬のまなざしで、見ています。

 

 この子たちにとって、この若者たちが、とんでもなくスマートで、

かっこいいヒーローに見えるのだろうな・・・

善行は、そう思います。

自分もできるならば、これくらいのこと、朝飯前、みたいに言ってみたいのですが・・・

とてもじゃないけれど、自分がしたら、とんでもないことになりそうだ・・・

くやしいが、ここは若者たちに、華を持たせよう・・・と、

「どうだい?このお兄さんたち、かっこいいだろう?」

と、いつの間にか周りを取り囲んでいた、小学生軍団に、声をかけるのでした。

 

にほんブログ村 小説ブログ ノンジャンル小説へ
にほんブログ村
人気ブログランキング