タカシくんは、実はお母さんから、ケンタの家のことを聞いていたので・・・

何気なく聞いてみたのです。

するとケンタは、さして気にすることなく、

「そうだよ」と言うと、

「話したっけ?」と、切り返します。

「ちがうけど・・・お父さんがいないのは、寂しいよね?」

スコップで土をつつきながら、タカシくんが言うと・・・ケンタは無言で、

バケツをひっくり返しては、土をかたどっては

「プリン~」と言いながら、スコップでたたいては、押し固めました。

タカシくんは、慎重に、固めた山をスコップで穴をあけます。

「水を流してもいいかなぁ」

ケンタが言うと、

「それはちょっと待って」とタカシくん。

「もうちょっとで、開通するから」

 

 保育所の門では、ポツリポツリと、お母さんたちがお迎えに来ます。

そのたびごとに、先生が子供たちを呼んで、少しずつ門をくぐり抜けていきます。

タカシくんの家も、母さんがフルタイムで働いているので、中々来ないのです。

もちろん、お迎え時間にも波があり・・・一斉に来ることもあれば、

こうして遊びながら、待つこともあるのです。

もちろん、1人きりになって、先生の片づけのお手伝いをしながら、

待つこともあるのです。

今日は、ラッキー!

ケンタはそう思います。

きっと早く来てくれるに違いない、そう期待しながら、

タカシと砂遊びをして、耳をそばだてて、その時を待ち構えました。

 

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