やはり、この人だったのか・・・
岸本先生は、食い入るように、写真を見つめた。
それは、まぎれもなく・・・ある人の顔だった。
「これは・・・用務員さんだな」
静かに先生は、そう言った。
確かに、思い起こせば、思い当るフシはたくさんある。
まずは、オジサンのことを、教頭先生以外は、誰1人知らないことを。
いつも、タイミングよく、現れることも、
原因の1つだ。
さらに、謎の行動をとること・・・などである。
気が付いてはいるものの、誰ひとりとして、その疑惑を、口には
しなかったし、なんとなく、話題にしてはならないこと・・・
というような雰囲気が、確かにこの人にはあった。
だけれども、ここまで沈黙を守っていたことが、かえって怪しさを
感じさせていたことを、先生はこの時、初めて気が付いた。
「だけど、何があったんですか?」
颯太は、先生の顔を見る・・・
ばらまかれた物を、多少拾い集めたものの・・・部屋は、いつもより、
雑然としていた。いつもとは違う空気に、敏感に気付いたのだろう。
不安気に、キョロキョロ辺りを見回している。
先生はフッ・・・と、ため息をつくと、
「石を投げられたんだ」と言う。
「石を投げられたくらいじゃ、警察は動きませんよね?」
颯太が言うので・・・先生は少し驚いた顔をした。
利発そうな黒い瞳が、少し不安そうに、見つめている。
この子は、よく気が付くなぁ~と、先生は、感心した。
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