「ゼンコーさんさぁ、ここの庭、ムダに広いけど、
何かに使ってるのか?使う予定は?」
ふいに、何気なくという風で、克也が聞きました。
「なんだよ?」
善行は、思わず、顔をしかめてみせます。
さすがに、リフォームして間もないのに、また新たに、
何かを作れ、というのか?
そんな余裕など、どうがんばったところで、1円も出ない・・・
というのに。
すると、それを察したのか、
「ああ、そんな意味じゃなくて・・・ごめんごめん」
克也は、すぐさま謝り、
「なんか、広いスペースをこしらえるなり、借りるなりしてさ、
子供たちの思い切り遊べる場所を、作ってやれたらいいな、
と思ってさ」と、ニコヤカに言うので、
「なんだぁ」善行は、少し頬のこわばりを、緩めました。
「公園があるじゃないか」
「知らないのか?」
善行の言葉に、思わず幸次郎が割って入る。
「この辺の空き地は、ほとんど、駐車場か、マンションに
なるとかで・・・年々減ってるのさ。
大体、子供は、道路で遊んでるんだぞ」
幸次郎の迫力に、圧倒され・・・
「ま、たいていの子は、塾に行って、遊ぶヒマもないみたいだったけど?」
克也は負けじ、とばかりに、付け加えた。
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