教頭先生の後ろ姿を見ながら、岸本先生は
「助かったぁ~」と、思わず小さなため息を、ついた。
いきなりふいうちのように、教頭先生に、声を掛けられたので、
動揺してしまい、シドロモドロになっていたからだ。
すると吉川先生は、ニヤニヤして、
「だろう?ボクは、役にたっただろう?」
と、近付いて来るので・・・
「ありがとう」」と、この時ばかりは、素直に感謝する、岸本先生だった。
岸本先生としては、裕太のことも、気になるが、やはり
タイムカプセルをどうするのか、というのが、1番の
悩みどころだった・・・
本来なら、成人の日にあわせて、するものなのだが。
今日はイレギュラーに、裕太が参加できるように、
という配慮で、かなり早まってしまった。
準備期間が短いため、まだ誰一人として、何を入れるか、
決まっていない状況だ・・・
こんなので、実施できるのか?
そのあたりを、キチンとしたい・・・という想いだった。
「先生は、これから、どうするつもりだ?」
吉川先生が、岸本先生に聞く。
まだ背後で、教頭先生が、見ているのに気付いたので、
2人は、さり気なく、その場を離れた。
廊下を曲がって、いつものように、社会科準備室へと、並んで
歩いているうちに、ようやく岸本先生の背中から、
張りつめていたものが、溶ける感じがした。
にほんブログ村

人気ブログランキング