「私は、この村の出身だ。
加藤さん(用務員のオジサン)は、**村だ」
と、教頭先生はぽろっと口を滑らせた。
「あっ!」
岸本先生と吉川先生は、思わず顔を見合わせた。
教頭先生は、一瞬わけがわからない、という顔をして、
それから2人の表情を見て、ようやく自分の失言に
気が付いた。
みるみる顔をこわばらせる、教頭先生をよそに、
「へぇ~」
吉川先生は、目を丸くして、大きな声を出す。
教頭先生が睨みつけているのも、気が付かない風を装って、
「そうだったんですかぁ~
知らなかったなぁ~」
と、わざとらしいくらい、大きな声で、岸本先生の方を見ると、
軽くウィンクをした。
岸本先生は、内心引きつりながらも、
「ホントですねぇ。あの方、自分のことは、ほとんどしゃべらないから・・・」
と、言い訳のように言うと、教頭先生は低い声で、
「まぁ、そうだな」
とうなづくのみで、それ以上は話したくない様子だ。
そして、思い出したように、
「とにかく、さっさと準備するんだな。
保護者がヤイヤイ言う前に・・・」
と、ひと言だけ、言いおくと、気まずい顔で、その場を逃げるように
立ち去って行った。
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