「先生!先生も、習字に通ってたの?」
いつの間にか、子供たちは、書くのをそっちのけで、
2人のやり取りを聞いています。
ポカンと、口をあけて、好奇心で目をランランとさせて。
「ああ、そうだよ」
トシオはあっさり認めると、子供たちの方を振り返りました。
「宿題、教えてくれるのって、ホント?」
と、別の子供が、期待のこもったまなざしで、聞いてきました。
そんな子供たちを見て、おじいさんは「おや・・・」と、笑います。
トシオも、少し驚いた顔をして、
「早耳だな!もう聞いてるのか」
と、感心した顔で聞くと、男の子は得意気に、鼻をヒクヒクさせます。
「もちろんだよ!
うちの母ちゃんも、オジイサン先生から聞いたって言ってたよ」
と言うと、聞き捨てならぬ・・・と、いきなり善行は身を乗り出して、
「オジイサン先生って、誰のことだ?」
と、少し声をとがらせるので・・・
子供は少したじろいだようです。
「え~ボク、知らないよぉ。母ちゃんがそう言ったんだ」
と、少し小さな声になると、あわてて目をそらして、座り込みました。
