それは、小さな紙切れだった。ふちに、ピンクの布が見て取れたので、
何かが、破れたか、あるいはちぎれたものに、見て取れた。
裕太の手の中から、のぞく謎の物体を見ていると・・・・
それは、よくおばあちゃんからもらう、アレににている・・・
と、颯太は気付いた。
「ホラ・・・神社とかでもらう・・・あれだよ」
と、颯太が言うと、裕太が顔を上げる。
「それって・・・」
2人は目を合わせると、一斉に「お守り!」と、声を揃えた。
それから、少し照れたように、目をあわせる。
「でもさぁ・・・なんで、こんなところに?」
普通、お守りと言えば、カバンにつけたり、忍ばせたりして、
大切に扱うものだ。
赤やピンクや、きれいな布にくるまれて、それなりの厚みがあるのに、
これは、破れて捨てられたのか、わからないが・・・
完全な形ですらない。
あくまでも、パーツであり、1部分だ。
本体は、一体どうなったのか、
それは、うかがい知ることはできない。
第一、神社の名前が読み取れないしで、手がかりが、プツン・・・と途絶えた。
なんでこんなものが、ここに?
と思っても、おかしくはなかった。
ここは、神社を壊してできたわけでも、近くに神社があるわけでもないはず・・・
何者かが、ここに捨てた、しかも、バラバラにして・・・
と、考えるのが1番妥当だった。
ならば、どうしてここに?
颯太が頭を悩ませていると・・・
そこに、自転車に乗った男の人が、近付いて来るのが見えた。
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