「アンケートに、ご協力ください」
善行は、子供たちを迎えに来た母親たちに、先ほどから
チラシを配っています。
これは、トシオと一緒に、昨夜頭を突き合わせ、何がベストな形か
知るために、リサーチをしているのです。
「いわゆる、市場調査だな」
克也が、行った言葉をヒントにしました。
昨日のランチの時に、話をしていて、善行はふと思い立ち、
昨晩も引き続き、シニアオヤジーズのメンバーを、緊急招集したのです。
さすがに、夜はカメさんの店も、お酒を出して忙しいので、
場所を変えて、閉店後の善行の店に、集まりました。
「いくら、自分達がやってみたい・・と思っても、実際に人が来なければ、
仕事として、成り立たないからな」
と、幸次郎の中々鋭い指摘で、善行もうなづかざるを得ないのでした。
「そうだな・・・いざ、フタをあけて、閑古鳥が鳴くようでは困る・・・」
さすがの善行も、思い出屋に関しては、自分の計画が甘かった・・・
と、最近になって、思うようになっているからです。
「慈善事業なら、別だ。あくまでも、ボランティアならば、
やればいい・・・」
幸次郎の言うことは、的を得ていて、(さすが幸次郎・・・)と思うのです。
みんな、黙りこくっているので、空気を換えようと
「なら、聞いてみればいいじゃないか!」
と、普段は何一つ、まともな意見を言わないよっちゃんが、
珍しく、真っ当な言葉を吐いたのです。
「おまえ、どうした」
「何か、悪いもの、食ったか?」
「熱でも、あるんじゃないか?」
みんな、テンデバラバラに、よっちゃんのことを、いぶかしげに見るので、
「なに、言ってんだ?」と、善行の手をはらいのけると、
「だってさ、わからないことは、人に聞くべし、って言うだろ?」
と言うと、
「それも、そうだな」
と、なったのでした。
それで、克也は、「なるほど」とうなづいて、
「ならば、アンケートはどうだ?」と、言い出したのです。
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