しかしそうなると・・・ただ、宿題を教えるだけでいいのか、
それとも、もっときちんと教えるのか、1対1なのか、
もっと大人数を教えるのか・・・と、考えることは、まだまだたくさん
ありました。よっちゃんとしては、
「いきなり大がかりは無理だから、まずは、
希望者だけ、募る、というのは?」
と、珍しく真面目に発言したので、
「どうせなら、ここの子供たちからおためしで・・・
大体塾というのは・・口コミで広がるのが、1番のぞましいのだ・・・
宣伝すると、すぐに、税務署がやってきて、税金だどうだ、とやかましいしな」
と、意見がめずらしくあいました。
こうして、善行は、不本意ながら、よっちゃんに手伝ってもらい、
トシオのために、奔走しました。
なんとか、塾としての体裁を整えるために、」必要なことをするべく、
幸次郎の
ツテを頼って、いろんな人に聞いて回ったのです。
「大がかりじゃなくていい。どんな風にしたらいい?」と聞くと、
「それこそ、宿題を教えるだけなら、塾でなくてもいい。
学童だって、してることだし・・・
いっそのこと、放課後に、子供たちに開放するスペースとして、
提供したら?」と言う意見があったのでした。