キョーコは、その場にしゃがみこんで、その辺の手頃な石を拾って、ためしに掘ってみました。

とりあえず、その周辺を中心に掘り起こしてみると、赤茶けた、比較的柔らかい
場所を見つけました。
「えっ?」
キョーコは、思わず顔をあげて、マサミちゃんの方を見ると、今度は慎重に掘り進めました。
 キョーコの顔を見ると、マサミちゃんは
嬉しそうな顔になります。
「やっぱりまだ、私、ボケていないわ!」と、変な風に喜んでいます。
「あんた、まだ、そんな年じゃないわ
 よ~」
同い年なだけに、このあたりは、マサミちゃんも、少しデリケートな物言いをしました。
まだまだ、複雑な年頃なのです。
 
 そして、今度は慎重に、掘り進めました。
時おり、手で優しく土をどけていくと…
(まるで、遺跡の発掘のようですね!)
ぴたっと、手を止めました。
何か、手応え…というか、何か違うものを
感じたのです…
キョーコは、一瞬、表情を変えて、手を止めたので、マサミちゃんはいち早く気付いて、近寄りました。
そして、肩に手を置くと…
無言で、マサミちゃんも加わって、二人並んで、その辺りを堀始めました。
 
 
 
 
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