「先生は、心当たりは、ありませんか?」
と言うと、
「そうだねぇ、何しろ昔のことだから・・・
よく覚えていないなぁ」
オジサンは、もごもごと口の中で言い、目をキョトキョトとさせました。
それが、なんとなくソウタ達に、不信感を抱かせました。それをごまかすように、
「埋めたのは、このあたりでしたっけ」
若干、声が震えていました。
「そうだと思います」
「中身が飛び出る可能性は?」
「割れてたり、フタが取れてたりしなければ・・・
ないと思うけど・・・」
用務員のオジサンは、何事か、考え込みつつ、
言いました。
そうして、マサミちゃんや、キョーコの方を向いて、
「そもそも最初の段階で、入れてなかったら、
あるわけがないんだけど?」
と、鋭い視線を、キョーコに向けました。
「そうなの?」と、マサミちゃんは、キョーコを
振り返り、ユウタとソウタも、思わず振り返り、
そして、ケンタまでも、キョーコを見上げました。
みんなの視線を感じて、キョーコは思い切り
頭を振り、
「ないない、それはないと思います」
と、きっぱりと答えました。
ケンタも心配して、キョーコの袖を引っ張ると、
「大丈夫よ。誰も、母さんを怒ってるわけじゃないからね」と、言い聞かせました。
「それなら・・・」と、オジサンはさらに、
「それか、あけた時に、誰かが間違って持って行ったか・・・それしかないね」と言いつのり、
それが、言い訳のようにも、聞こえました。
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