とにもかくにも、近付きましょう~

マサミちゃんが、先頭に立ち、ユウタとソウタは

その後に続き、キョーコは、ケンタくんが疲れた時を心配して、ケンタの隣に並んで歩きます。

小学生コンビの姿を見ると、昔を思い出すらしく、

終始微笑みっぱなしです。

 

 ようやく、1本の木の側にたどりつくと、

マサミちゃんは「すみません、お待たせしました」

と声をかけました。

その人は、こちらには背を向けて、ボンヤリと

雑木林の方向を眺めていました。

マサミちゃんの声で、あわてて振り返ると

「いえ、私もさっき、来たばかりですから・・・」

と言いました。

そうして、その人は、ユウタやソウタやキョーコ達の方を見て、おや?という顔をします。

少し戸惑った顔をしているので、

「すみません・・・この子たちが、タイムカプセルの

中身を知りたい、と言ったので・・」

と、マサミちゃんは、適当に言い訳をしてみました。

後に続いてユウタたちが、追いつくと、マサミちゃんと話している男の顔を見ました。

遠目に見ても、中肉中背の60歳くらいの男性です。まさかこれが、例の担任だった先生なのか?

と、遠慮がちに、顔をあげました。

 

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