実に鮮やかに、加藤先生を連れ出した、吉川先生。
「上手く、つなげてくれるかな?」
そうつぶやきつつ、岸本先生と、
シューゾー先生は、捜し物を始めた。
「まずは、手分けをしよう!
いつ帰ってくるか、わからないから」
手早く二手に別れ、おもむろに、
職員ロッカーに、棚の中、机の中などを、
慣れた手付きで探していく。
怪しき物体は、見つからない。
「ホントに、あるのか?」
少し、不安になってくる。くまなく、捜索するも、なぜだか、気配さえ見つけられない。加藤先生のデスクのパソコンをつけたところで、
「先生達!なにをやってるんだ?」
と、声がして、職員室の電気をつけられた。
びくっ!と体がすくむ、感覚がした。
「実は…」
岸本先生は、観念した。
(吉川先生!スマン!)
あきらめて、加藤先生の椅子を引いて、座り込んだ。
「どうにも、トシオとケントのことが気になりまして…」と言うと
教頭先生は、ウウムと、腕組みをし、
「私も、気にはなってましたがね…」
と言いつつも、岸本先生をにらみ、シューゾー先生の方を見て、にらみつけた。
「だからといって、許されることでは、ありませんな!」
と、厳しい顔をした。
おもむろに、職員室のドアが開き、
「どうだった?」と、吉川先生が、顔をのぞかせ、あわわ…と、岸本先生は、あわて、全てが水の泡となった。
「先生!」と言うのと、
「ありゃりゃ!」と言うのが、全く同じ
タイミングだった。
「あなたたち、双子?」というくらいに。

ますます、教頭先生は、顔をしかめ、
「吉川先生も、グルだったんですか!」
と、怒りをにじませ、
「こんな、こそドロのような真似、するのは止めてくれ!」
と、キッパリとした、口調で、言い放った。

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