3人は再び、雑木林に来ていた。
放課後、校長室に呼び出され、刑事さんに質問されていた時、先生に、絶妙なタイミングで、助けられたのだ。
社会科準備室で、先生を待っていると、
「原点に、戻ってみよう!」
と、提案されたのだ。
半信半疑の裕太と颯太、先生の言葉を信じて、雑木林に、舞い戻ってきた。
「母さんに知れたら、ドつかれるぞ!」
裕太は、ボソッと、つぶやいた。
颯太はそれを耳にし、あはは!と笑った。
「お前の母ちゃん、強烈だもんな!」
先生は、一人、かやの外だ。
そして、緑深き、雑木林を抜けていく。
夏の陽射しが、木立を抜けて、辺りを照らし出す。鳥のさえずり、カラスの羽ばたき。ツタの生い茂る木々を、上手に、通り抜けていく。
ようやく、ポッカリと、開けたところに来て、目の前に、あの廃屋が、形を変えて、姿を現した。
玄関ポーチは、焼け落ちて、かろうじてコンクリートの段が、面影を残している。
黒く炭化した柱が、所々に点在し、
かつての威容を、示しているようだ。
あの、白い影がよぎっていた、二階の窓は、もう存在しない。全て焼け落ちて、
光の中に、白いホコリ舞い、階段のステップも、もうない。
瓦礫の山は、さすがに撤去され、残されたのは、だだっ広い空間のみだ。
裕太は、ボンヤリと、見渡していた。
かすかに、焦げ臭い臭いがするような気がした。
「うわっ!ひでーなぁー」
颯太は、思わず、つぶやいた。
「ガラスの破片が残ってるかもしれないから、気をつけて」
岸本先生は、あくまでも、教師の態度を崩さない。
「みんな、足元には、十分気を付けて!」 先生は、振り向きざまに、そう言った。
見上げてみると、鬱蒼とした梢から、白い影が、ボンヤリと見えて、
裕太にささやいている。
「コッチへおいで」
えっ?
裕太は、思わず、目を凝らす。
すると、一瞬、二階の渡り廊下が見えてきた。
えっ?
もう一度、目をこすって見ると、
見えるのは、光の中に、舞い上がる、白いホコリだけであった。
不思議な思いで、颯太を見るが、まったく見えていないらしく、
何だ、それは、自分だけなのか?
まるで、家に、取り憑かれてしまったようだ、と、胸の中で、つぶやいていた。
さっきのあれは、家が見せた、幻だったのだろうか?
「ゆうた、ゆうた!」
少し離れた場所で、颯太が、呼んでいた。
「どうしたんだ?」
近づくなり、颯太はのぞき込んできた。
裕太は、ぼんやりとして、
(おまえには、見えないのか?)
と思った。
「寝てたのか?」
心配そうに聞く颯太を、傍らで、先生も、振り向いていた。
「いや」と、短く言い、
「多分、白昼夢だろ」
これは、先生が言った。
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放課後、校長室に呼び出され、刑事さんに質問されていた時、先生に、絶妙なタイミングで、助けられたのだ。
社会科準備室で、先生を待っていると、
「原点に、戻ってみよう!」
と、提案されたのだ。
半信半疑の裕太と颯太、先生の言葉を信じて、雑木林に、舞い戻ってきた。
「母さんに知れたら、ドつかれるぞ!」
裕太は、ボソッと、つぶやいた。
颯太はそれを耳にし、あはは!と笑った。
「お前の母ちゃん、強烈だもんな!」
先生は、一人、かやの外だ。
そして、緑深き、雑木林を抜けていく。
夏の陽射しが、木立を抜けて、辺りを照らし出す。鳥のさえずり、カラスの羽ばたき。ツタの生い茂る木々を、上手に、通り抜けていく。
ようやく、ポッカリと、開けたところに来て、目の前に、あの廃屋が、形を変えて、姿を現した。
玄関ポーチは、焼け落ちて、かろうじてコンクリートの段が、面影を残している。
黒く炭化した柱が、所々に点在し、
かつての威容を、示しているようだ。
あの、白い影がよぎっていた、二階の窓は、もう存在しない。全て焼け落ちて、
光の中に、白いホコリ舞い、階段のステップも、もうない。
瓦礫の山は、さすがに撤去され、残されたのは、だだっ広い空間のみだ。
裕太は、ボンヤリと、見渡していた。
かすかに、焦げ臭い臭いがするような気がした。
「うわっ!ひでーなぁー」
颯太は、思わず、つぶやいた。
「ガラスの破片が残ってるかもしれないから、気をつけて」
岸本先生は、あくまでも、教師の態度を崩さない。
「みんな、足元には、十分気を付けて!」 先生は、振り向きざまに、そう言った。
見上げてみると、鬱蒼とした梢から、白い影が、ボンヤリと見えて、
裕太にささやいている。
「コッチへおいで」
えっ?
裕太は、思わず、目を凝らす。
すると、一瞬、二階の渡り廊下が見えてきた。
えっ?
もう一度、目をこすって見ると、
見えるのは、光の中に、舞い上がる、白いホコリだけであった。
不思議な思いで、颯太を見るが、まったく見えていないらしく、
何だ、それは、自分だけなのか?
まるで、家に、取り憑かれてしまったようだ、と、胸の中で、つぶやいていた。
さっきのあれは、家が見せた、幻だったのだろうか?
「ゆうた、ゆうた!」
少し離れた場所で、颯太が、呼んでいた。
「どうしたんだ?」
近づくなり、颯太はのぞき込んできた。
裕太は、ぼんやりとして、
(おまえには、見えないのか?)
と思った。
「寝てたのか?」
心配そうに聞く颯太を、傍らで、先生も、振り向いていた。
「いや」と、短く言い、
「多分、白昼夢だろ」
これは、先生が言った。
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