「へぇ~すごいなぁ」
「ホント?」
あわてて裕太と颯太が、口をはさむ。
「なに言ってんだよぉ」
二人の様子がおかしい…と、ジュンペイは
けげんな顔になる。
「おまえたちだって…見ただろ」
「えっ?そうか?気が付かなかったなぁ」
わざとらしく、裕太が声を上げる。
「そうそう!けっこう波が強かったから…
船にしがみつくので、必死だったよ」
「ボクも。ほかのことを考える余裕なんて、
なかったなぁ」
口々に言い合うと、どうにかジュンペイを
黙らせよう…と、裕太は頑張っている。
「それに、じいちゃんもいたしなぁ。
ボクたち、自分たちのことで精一杯だったし」
何とかオジサンの気をそらせよう…と、試みる。
「何言ってんだよぉ」
ジュンペイが大きな声を上げる。
「ちょっと」
たまりかねた裕太が、強引にジュンペイの背中を
押して、オジサンから離れる。
「なんだよ、ユウタ~
オジサンが、気を悪くするだろ」
不満そうに、ジュンペイが文句を言う。
「お前こそ…あんなことを言ったら、
オジサンにバレるだろ」
それどころじゃないだろ、と裕太は声を押し
殺して、ジュンペイをにらみつける。

