「えっ?」

 まさか、あそこなのか?

あそこは…リュウタが、消えたところだ。

「ウソだろ」

呆然とする裕太に、

「ウソじゃない」

ムスッとした口調で言い返すと、ジュンペイは再びクルリと

背を向けて、猛然と歩き始める。

「あそこ?あそこって…古びた木のホコラが、ある所だろ?」

小走りで、ジュンペイを追いかけながら、声をかける。

「なんだ、知っているのか?」

またもクルリと、ジュンペイが振り向く。

「詳しくは知らないけど…さっきまでいた」

何とか話を聞きだそう…と、裕太はジュンペイに向かって、

声を張り上げる。

「そう」

素っ気なく、そう返す。

(もしかしてジュンペイは、何か知っているのか?)

ふと、そんな疑問が、頭をもたげる。

「まぁ、何にもないけどな!

 この御守りと、同じような模様があるんだ」

 全く平然として、ジュンペイは裕太に答える。

「へっ?」

またも裕太が、声を張り上げると、早速ジュンペイに

「うるさいぞ」

文句を言われた。

 

 ズンズンとためらうことなく、雑草の中をこぐように、

ジュンペイは進んで行く。

あそこに、何があるのか…

すでに知っているようだ。

「ねぇ、ジュンペイ…あれは、なに?」

せめておいて行かれないようにと、裕太はせっせと追いかけ

ながら、ジュンペイに向かって、声を張り上げる。

「あれって、なんだ?」

前を向いたまま、ジュンペイは先を急いだ。

 

 

 

 

 

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