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9月に受診した産婦人科の検査費用を支払うかどうか。

そもそも、産婦人科の先生からは費用がかかる説明を受けてなかった。

それまでの費用はすべて、特定疾患に係る費用で処理されていた。

診察後、窓口で検査費用を請求された。

わたしは”事前に聞いていないので、払いません”と窓口の人に言って帰った。



次の診療のときに内科の医者から、

”産婦人科の費用のことで、説明が足りなくて、すみませんでした。”

と言われた。

わたしは、”ふつうの企業だったら、そんなことまかり通らないと思います。

事前に説明もなく、あとで、これだけかかったから払ってくださいと言っても、

誰も払ってくれないと思います。”と言った。

医者は、”どの治療にどの位費用がかかるかは、正直、私も知らないんです。

そういうことは専門外ですから。”と言った。



どうして医者は事前に治療費の説明をしないんだろう?

患者は命が助かるなら、金に糸目をつけない人ばかりなのだろうか?



わたしは、”やっぱりおかしいと思うので払いません”と言った。



医者は、”あれあれ、エンドキサンの治療をするときに、

卵巣の機能が失われて、赤ちゃんが産めなくなることを、

あんなに気にしていたじゃないですか?

その機能の回復を確認する検査費用ですよ。

一番気にしていたでしょう。

卵巣が機能し始めたから、よかったじゃないですか。”

と言った。



女性に生まれてきて、結婚もしてなくて、子供も生まずに、

閉経よりもずっと早く、卵巣が機能しなくなることの恐怖や悲しさを

この医者には理解できないんだろうなと思った。


でも、わたしはどちらかというと、子供を産めなくなることより、

子供を産めなくなる事で、女性としての価値が下がり、

また結婚が遠のくんだろうなということを一番気にしていたことは、

もっと理解ができないんだろうなと思った。



入院しているときに出会った45歳の女性は、

13歳の時に発症して、37回、入院していると言っていた。

治療のために、失った機能もあった。



払うかな。1600円だし。

でももう少し、えらそうな医者に文句言いたいな。

月曜から新しい会社で働き始めた。

カスタマーサポートに配属されたのだが、

上司は女性で、バブル期に就職したような人で、

発言も行動もそれっぽい。

同僚の女子は、上司にべったりで気に入られている。

お昼も一緒で、うんざりしてきちゃった。


外資系は、40代でもキャリアがあれば、

仕事があるので、ここで外資系のキャリアを積みたいけど。

どこいっても同じだから、続けるかな。

その前にクビになるかもしれないな。

同僚の女子の引継ぎが本当に分からない。

作業のやり方しか説明しないから、

どの業務と関連していて、結果、何に反映されているのか、

さっぱり分からない。

一年は続けようかな。


わたしは人が嫌いなんだな。

誰かとずっと一緒にいると息苦しくなる。

誰かに気に入られたいとも全然思わない。

女子っぽいことも本当に大嫌い。


でもここで一念発起して、

ちょっと女上司に取り入ってみようかな。

今までは、好き勝手にしてきたけど、

人生でそういう経験もしてみるか。

それでもだめだったら、工場で缶詰のシール貼りをしよう。






プラプラしていても仕方ないので、

日雇いのアルバイトの登録に行った。


登録会では、挨拶ができない人間には仕事を頼めないということで、

大きな声で挨拶を何度も練習させられた。

社会に適応できそうにない男の子も一生懸命叫んでいた。

その子達は、わたしよりも大きな声を出して、

質問にも積極的に答えていた。

わたしよりも本当にまじめだった。

学生なのかなと思ったけど、ニートぽかった。


わたしは女子に生まれてよかったのかなとたまに思う。

女子だったら、少しぐらいバカでも、簡単に、

一発逆転できる。

大手の会社に派遣社員として入社して、

そこの社員と結婚すればいい。


自分の周りにはいないような、

経験や知識を持った人達と一緒に仕事もできて、

多くを学べる。

仕事以外でもいろんな経験をさせてもらえた。

こういう経験をしてしまったから、

どんどん自分を見失って勘違いしていったんだろうな。


その若い男の子達見て、

私が経験したことの半分も知らないで、死んでいくんだろうなと思った。

でもそれが当たり前なんだと思った。

わたしがしていたことや周りがおかしかったんだろうなと。

そしてわたしもそういう子達と、いつしか同じ立場になったのを

思い知った。


午後から、派遣の面接に行った。

月曜から通うことになった。

希望以上の時給で職種も望んでいたものだった。


そして浮かれて、

友達とごはんを食べに行った。

ワインをあけて、鴨を食べた。

本当においしかった。

その後、請求金額に驚いた。

ひとり八千円だった。

わたしはこころから、自分で払いたくないと思った。

ずーっと、友達に文句を言っていた。

自分で八千円なんて払ったことがないと。

わたしは何にも変わってないと思った。

いつ夢からさめるんだろう。

こんなに冷水ぶっかけられているのに。