先日、マンションの住人の方から「川口さん、車のウィンカーが着いたままですよ」とインターホン越しに伝えられ、見に行ったら着いておらず、同じ日に別の方からもご連絡をいただき見に行ったらまた着いていない、という志村けんのコントみたいなことが起きました。

 

翌日にまた別の方から三たび言われたので猛ダッシュで見に行ったら、前後左右ビカビカにウィンカーが発光していて、うわ、透明人間の所業のようで怖い、何とかしなくては、とエンジンを入れたところ何故かボンネットの中から薄〜くモヤのような発煙があり、その1時間後には車はJAFにレッカーされていく…………という大変華やかなイベントが起きた以外は心身ともに平穏なプライベートを過ごしております。(この数ヶ月、僕が車との心のすれ違いを繰り返している件に関しては過去のブログをご高覧ください。)

 

 

 

 

 

さて、しばらくリリースされた作品のことをブログに全く書けておりませんでした。

 

 
 

 

まず直近の作品から。10月23日に配信開始したシングル、Toshlさんの「残酷な天使のテーゼ」。この曲は今年の春先に催されたファンタジー・オン・アイス用にプロデュース&編曲をさせて貰った作品です。改めて書くまでもありませんが、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のオープニング曲のカバーです。

 

 

レコーディングは兎にも角にも圧巻でした。「za...」と歌いはじめるToshlさんは中世の森の中にひとり佇んでいて、イントロでタイムスリップして、敵を倒したり、バイクで荒廃した都会を駆け抜けたりしながら、最後エベレストの上で「神話になれーーーーーーっ」と発令、地球は救われる……というストーリーは僕の妄想ですが、Toshlさんの歌声は1曲の中で氷にも炎にも翼にもなって、その全てに明確な意味がある印象。

 

そして、ファンタジー・オン・アイス!今回携わらせて貰えて本当に良かった……。ひとことで書くならば、その魅力は「非現実感」。そんじょそこらの想像を遥かに上回る存在感や表現力で会場で圧倒するToshlさんと羽生結弦さんをはじめとしたスケーターの皆さん。「非現実感」というエンタテインメントを自分はこんなに求めていたんだと改めて気付き、その後の僕の作曲や編曲にもめちゃくちゃ影響してます……。

 

「残酷な天使のテーゼ」は12月4日発売の『IM A SINGER VOL.2』にも収録されますのでぜひチェックして下さい。

 

 

 

 

 

そして、10月17日に配信開始された僕の永遠のミューズ、今井美樹さんの「Hikari」。この曲は沢口靖子さん主演のドラマ「科捜研の女」の主題歌としてプロデュース&編曲と演奏をさせて貰った作品です。

 

 

10年ほど前にいちど「真夏の幻」という曲を作詞曲させて貰い、昨年は「Misty」という曲で作曲を、今回は初めてレコーディングそのものに携わらせて貰うことが出来ました。

 

実際にスタジオでご一緒する美樹さんはシンガーであるのと同時にミュージシャンシップの塊のような方で、僕の音楽的な企みにもガンガン乗って下さるし、違うと思ったらきちんと違うと仰るし、悩む箇所はとことん悩む……フランス映画の中のヒロイン(イメージです)みたいな美樹さんと話し合いながらアレンジの試作を繰り返し完成に至った作品です。

 

きっと美樹さんには世の中の出来事が印象派の点描みたいに見えていて、僕からすると抽象的に説明されたことも、後々引きのアングルで見ると「そーいうことかーーーーー」みたいなことが何度もありました。今後もしまたご一緒する機会に恵まれたら、その時はより迅速に美樹さんの引きの図を理解したい……!

 

「Hikari」はこの秋から「科捜研の女」で半年間エンディングで流れる予定なので、ぜひチェックして下さい。

 

 

 

 

 

 

そして、その前の週の10月10日に配信開始された僕のソウルメイト、JUJUのシングル「Woman In Love」。プロデュースは松尾潔さんで、JUJUのツアーのバンドリーダーの石成正人さんおよびツアーメンバーの皆さんと一緒にサウンドプロデュースに参加させて貰いました。

 

PVを作っていないそうなので、楽曲はこちらでご確認いただきたいのですが、10年前に松尾さんとJin Nakamuraさんの作られた楽曲を、JUJUのツアーに際して石成さんの指揮の元バンドメンバーでアレンジを重ね、最後に僕が微調整役で参加させて貰いました。

 

JUJUはポップスにR&Bにロックにジャズに歌謡曲に……と近年稀にみる色んなタイプの楽曲を歌っていますが、器用に多ジャンルをこなしていくというよりは、ひとつひとつの楽曲の核になるのは何かを丁寧に検証して、何かを憑依させてからレコーディングに挑むイタコタイプのシンガー、と僕は思っています。

 

なので今回の「Woman In Love」と、例えば前作のカップリングに収録されたベラボウに可愛いR&B「READ MY LIPS」と今回のは歌ってる人の年齢や育った環境までも違うようにも感じるし、それでも両方ともめっちゃJUJUっぽいという不思議。先日の国際フォーラムAで観たツアーファイナルも素晴らしかったな。

 

 

「Woman In Love」は来春に発売のスーパーベストアルバムに収録されるそうです。

 

……とだいぶ長いブログになってきたので今回はこのあたりで。CHEMISTRYとChayさんの作品については次回のブログで。にしても、今回の3曲とも実物のシングルCDは発売されず、配信リリースなのは時代の流れですね。海外では今は配信のみが殆どですが、日本もいよいよ実物と配信の共存の時代に突入!