天皇陛下のご即位30年と天皇皇后両陛下のご成婚60年を祝う音楽会に由紀さおりさんが出演されるのに際して、天皇皇后両陛下および御一家の前で僕もピアノ伴奏で参加するという幸運に恵まれました。

 

会場だった皇居内の桃華楽堂はこんな場所で……等々、初めて観た景色のことをたくさん書きたい気持ちもあるのですが、そのことよりも、
 
由紀さんが楽曲の説明をされている際に、天皇陛下が皇后陛下に「(この曲は)懐かしいね」と呟かれた声の柔らかなトーンだったり、終演後皇后陛下が席を立たれる際に皇太子殿下が先回りされて椅子を引かれるさりげない仕草だったり、僕たちの目の前まで足を運んで下さり「ありがとう」とお声がけ下さる両陛下の優しいお気持ちだったり、最後車に乗る両陛下をお見送りした際に、車の中から皇后陛下がゆっくり振って下さった手のエレガントさだったり。
 
第六感で寄り添い包んで下さるようなコミューニケーション。
 
その全てを笑顔で感じながら、気付けばボロボロ涙を流してしまいそうな、緊張をしながらも、ご一緒する時間が永遠に終わってほしくないような、眩しすぎて拝顔できないような、でもずっとずっと心の中にある懐かしい景色のような……平成から令和へ移行する時代の狭間で、振れ幅の大きな感情が10:10で同居する不思議な時間を体験しました。
 
第六感と言えば、僕が由紀さおりさんのパフォーマンスにずっと、そして、この日も改めて感じたことでもあります。由紀さん、未熟な僕のような人間にこのような素敵な機会を下さって本当にありがとうございます。
 
その夜から天皇陛下に咳のご症状があり、翌日はご公務をお休みになる、という報道がされていましたが、お風邪を召されたわけではないようで、その後の報道ではお忍びでお花見もされているご様子。安心いたしました。いつまでもお元気でお過ごし下さい。