3月22日に由紀さおりさんの50周年記念アルバム『Beginning 〜あなたにとって〜』が発売になります。僕はM2の「覚えていてね」という楽曲に作曲で参加しています。作詞は久々にご一緒するいしわたり淳治くん、編曲およびプロデュースは昨年の今井美樹さんの作品に続いて亀田誠治さんです。

 

僕がアルバム「スマイル」で由紀さんとご一緒するようになった後は、ずっとカバーアルバムのリリースが続いていたので、はじめて楽曲を提供させて貰える栄誉にあずかるのに際し、ずっと由紀さんで挑戦してみたかった軽快なアップテンポを書きました。

 

他にも我らが伊澤一葉くんや、作詞家の松井五郎さん、森雪之丞さん、ハナレグミの永積タカシさん、アンジェラ・アキさん、いきものかかりの水野良樹さん、吉澤嘉代子さん……と大変豪華なメンバーの中に混ぜて頂き幸せ!ぜひチェックしてみてください!

 

 

 

さて、先日2週間ほど沖縄に滞在していました。

 

と言ってもずっと同じ場所にいた訳ではなく、平日の3〜4日間は沖縄本島でHYのメンバーとレコーディングをして、週末は彼らが地方にツアーに出てしまうので、その期間は理由あって両親が短期滞在している石垣島へ。

 

親が2ヶ月ほど東京を離れる計画を立てていたタイミングで、僕が「おーきなわ!おーきなわ!」と言ったことが現実になりました。

 

口に出してみるものです。

 

さらに、僕は沖縄本島から東京に戻るのには3時間以上掛かりますが、石垣島であれば45分くらいで行けるので、2往復するならば、石垣に滞在して仕事をした方が負担は少なかろう、という目論見。パソコン1台で編曲がある程度できてしまう、そんな時代に生まれて良かった!

 

僕が18歳の時以来、両親が転勤が家に居なかったりで、考えてみると、父と母と一緒に過ごすのは25年ぶりくらい。今となってはどこかで少し「息子」という役柄を演じているような、不思議な気持ちで両親と数日共に過ごしました。

 
特に門限を破ったら玄関に仁王立ちして立っているような父に関しては、思い出したことも多々ありましたが、この歳になってはじめて知ることもそれなりに多かったように思います。

 

 

父は甘いヨーグルトは好きだけど、酸っぱいのは苦手。父はパンは焦がしめに焼いて、朝から大量のコーヒーをたくさん飲む。いまは韓国映画に夢中。同性の僕の前では冷静な父親としての姿だけど、母には思いのほか甘えたり威張ったりしている。ケンタッキー・フライドチキンが好き。足りないことを恐れて多めに食事を頼む。ジャーマン・ポテトを作るのが得意。不平不満を言うポイントが僕と結構似ている。後頭部の僕と同じ位置にアザがある……

 

 

どれをとっても取るに足らないような話ですが、18歳までの僕には「厳格」というぼやけた概念でしかとらえられなかった父にもちゃんと実体や輪郭があるんだ、と感じられた時間でした。
 
こんな歳になって今更感じたのかとも思うし、やっとこの歳になって感じられたとも思うのです。家族って、近すぎる神秘。

 

僕の帰京後も、画素数やや低めの母のスマホからときどき写真が送られて来ます。70を過ぎての急な南の島への短期移住、不便もあるようですが、それなりに楽しんでいるみたいです。あの時「おーきなわ!」と言って良かった!