たまたま千穐楽翌日に歯医者の予約を入れていたのが良くも悪くも功を奏して、明治座ロスどころではありませんでした。

遥か昔に施した詰め物を新しくする治療。動いてはいけない状態で目にタオル掛けられて(閉所恐怖症の僕にはこの時点でもう辛い)、歯ぐきに麻酔されて、轟音で歯を削られて…………今度は2週間後くらいに仮歯を外して、神経をしみさせることで何かしらを確認しながら被せものを…………。ぎゃーーーーー。

自分がじいさんになって、万が一大病を患った時を想像するに、病気そのものよりも、その治療過程を豊かに妄想して、そしてパニック死しそう……。恐ろしい。はあはあぜえぜえ……。



恐ろしいで思い出しましたが、僕がいちばん恐れている会話を、今回の明治座で耳にしました。

僕はバンドリーダーなので、全員分の譜面を作る訳ですが、当然僕の表記の癖もありますし、クラシックの譜面と、ポップスの譜面と、それこそ昔ながらの歌謡曲の譜面と、表記が違ったり、各現場におけるマナーが諸々ある訳です。

ただ、そんな譜面を作っている側の事情はどうでも良く、ミュージシャンにとっての絶対的な正解かつ正義はたったひとつ。

「演奏するにあたって譜面が読みやすいか、否か」

メンバーが僕に向かって言っていた訳ではないのですが、何かの話の流れで「譜面上、○○となっていると非常に読みにくい」「△△までは書いてほしいけど、■■まで書かれるのは違う気がする」「◇◇を譜面の上に書かれた時は、自分で修正液で消して下に書き直している」等の「イケてない譜面あるある」を皆で披露している最中、聴いていないフリをしながら、僕は自分の譜面がイケてない該当していないか、服の中でびっしょり汗かきまくり。この恐ろしさを強引に喩えるならば、思春期にホットドッグプレスとかで読んだ「こんな彼氏はNG。ひとりよがりな男性の××の仕方」みたいな特集を読んでいる時のような……。次回からあの表記とあの表記は、あたかも「最初からそう表記してましたよー」風にこっそり直そう……。ドキドキドキドキ……。

以前、大変なるキャリアを持っていらっしゃる編曲家の方が「ミュージシャンの人が完璧な譜面って言ってくれた」と喜んでいらしたのは、これか……。

譜面に関しては、発信する僕だけではなく、受け取るミュージシャン側の意見とが合わさった箇所に、真の正解が。



さて、そんな恐ろしい話よりも、先ほど読んだBaby BooのU:sukeくんのブログが大変なる美文かつ、お見事な臨場感溢れるレポ!さすが最年少なのにリーダー!昨日のブログに書いたことにも通じますが、この人も本当に細かいところまで色々と気付いておられるなー。明治座に来られた方も、そうじゃない方も、ぜひ。