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美空ひばりさんの「愛燦燦」、梅沢富美男さんの「夢芝居」、布施明さんの「シクラメンのかほり」等の作者として知られる小椋佳さんの「生前葬コンサート」。古稀を迎えるにあたって音楽活動の締めくくりとして、4日間で有名無名も込みで1日25曲、計100曲を歌う、という壮絶な企画。

僕の周りに座ってたオバチャマ方は最後の打ち上げ花火的な、ベスト盤のようなライブを期待していたようで「知らないわ!」「知らないわよねー!」を連発してましたし(笑)、不勉強の僕も知らない曲だらけだったのですが、小椋さんの淡々としたトークと歌声と共に、全く退屈せず楽しめました。

同時に小椋佳さんの気持ちがメチャクチャ分かるのです。

どの曲も可愛い我が子のようなものなのに、中には晴れ舞台が一度も無いままの楽曲を残して音楽活動を終わらせて良いのか、というその気持ち。

オバチャマ方の絶対に物事を我慢しない感じ(笑)と、小椋佳さんの最後のささやかだけどダイナミックなワガママに挟まれて、微笑ましく、色んなことを思う時間でした。



そういえば先日、土岐麻子ちゃんのリハーサルの時に、土岐さんとの相性の良いフュージョン系のボーカル曲ということで、クルセイダーズの「ストリート・ライフ」を、土岐さんとベースの玉ちゃんと遊びで演奏していて、「ストリート・ライフ」の2回目のBメロが良い!とか話していたのですが、まさかそんなタイミングでクルセイダーズのキーボーディストだったジョー・サンプルが亡くなりました。

タイミングでいうと、僕たちなりに勝手にギリギリ「生前葬」をやっていたのかも。いや、「葬」は自分でいうことかも。他人が言うならば「生前リスペクト」。

マイケル・ジャクソンや、ゴッホのように、死の前と後で評価が180度変わるような人生ばかりを他人は伝説として語りたがりますが、小椋佳さんや、ジョー・サンプルのように生前も、おそらくこの先もずっと穏やかにリスペクトされ続ける人生も、僕からすると「伝説」。凄く素敵に映ります。

小椋佳さん、音楽活動ひとまずお疲れ様です。ジョー・サンプルについては、音楽評論家の吉岡正晴さんのブログに詳細が掲載されています。ご冥福をお祈りします。