「ドラえもん」、アメリカ進出にあたって、肥満助長の観点からドラえもんがどら焼きをバカ食い出来なくて、大和撫子の代表格であるしずかちゃんのキャラクターをもっとアメリカン・ガールな感じにして、児童ポルノの観点でしずかちゃんはお風呂にも入らないかも知れない……等々あるのだそう。って、これだけの不朽の名作が、作者の藤子・F・不二雄氏の死後に、現代アメリカのルールにカスタマイズされて、アメリカ進出する必要あるんでしょうか。

以前も書いたかも知れませんが、F先生は生前、子供たちが愛してるキャラクターが描かれたものの裏をベロで舐める(切手のノリの部分)のは美しくないから、という観点で「ドラえもん切手」発行の打診をずっと断っていて、当時にしては珍しいシール仕様にすることでやっとOKを出した、というくらい「ドラえもん」の在り方にこだわり続け人なのに、先日藤子作品が大好きなミュージシャンの中塚武くんのツイッターを見ていたら、最近の藤子プロはこんなのまで出しているのだそう。



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F先生がご存命だったら、これは絶対に許さないと思う……。というか、それ以前にデザインの美醜の観点で酷すぎ……。今風の言葉で言うならば、誰得?藤子プロも、ディズニーのブランド・コントロールを見習ってほしい!と書こうと思いましたが、冒頭に書いたドラえもんのアメリカ進出を担っているのがまさにディズニーなのだそうで、話は非常に複雑に……。

「我慢」とか「おしとやか」と言った日本情緒が根底にある上で、ドラえもんの「四次元ポケットから出てくる道具たち」という破壊力のあるスペックが輝く訳ですし、未来から来た万能ロボットのはずのドラえもんが、どら焼きという日本のオールドスクールなお菓子にはどうにもこうにも我を忘れてしまうという"人間"臭さに人は共感しているのかと。そういったジャパニーズな感覚を脱臭して、ドラえもんの「何でも出来る」だけをピックアップしたのでは、「肝心な何かが出来てない」気がする、そんな頑固な38歳です。