先日のブログで本のその他の要素について書いたのですか、音楽も僕にとっては同じかも知れません。

例えばたまたま今日聴いてたジョニ・ミッチェルの「HEJIRA(逃避行)」のジャケット。彼女の胴体には真夏の入道雲とどこまでも続く道が映っていて、白黒の写真と絵画のミックスのようなジャケット。

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そして彼女が立っている場所。表のジャケットだけだとイマイチ分かりませんが、中ジャケを見るとカラスのような衣装でスケートで滑走する姿があるので、雪原だということが分かります。

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男性スケート選手の奥にはウェディングドレスと思しき服を着た女性が立っているという何とも不思議な世界観。このジャケットを手に取って、静謐な冬の空気を頭の中いっぱいに描いて聴くと、めっちゃピッタリな音楽なのです。まぁ、僕の雪国に対する偏執的な憧れも多分にありますが……。

配信のジャケットだと、恐らく1枚目の写真の彼女のポートレート部分のみだから、情報量が相当限られますよね。「あのジョニがカラスの格好してスケートしてるアルバム」って言っても通じないし。

…って、たまたま今日聴いてたアルバムが余りに良く出来たアートワークだと思ったら、このジャケットで、グラミーの最優秀パッケージ賞にノミネートされてました。わーかーるー!!


あと、洋盤のCDジャケットは特にそう感じるのですが、印刷のインクが独特の鼻につく匂いで、他では触ったことのない表面がザラザラ、ツブツブしてる感じがあって(逆に日本盤のジャケットは表面が光沢加工してある感じというか、ツルツルした感触)、僕なんかはそれだけで音楽をちゃんと聴くモードになるというか、自分の知らない人の人生に触れているような神妙な気持ちになります。(レコードはレコードで、別の匂いと触感がありますよね。)

音楽って、音だけで心の中で遠くに行ける凄いツールだと思うんですが、それ以外の要素で更に遠くに行けたりするから、やっぱり配信だけにならないで!むしろ神妙になりたくない音楽もあるから、それはそれで配信で買うけど!