やっと全部ちゃんと見られました、グラミー賞の授賞式。

メインストリームなものと、インディーズのものと、万人が認める新しい才能と、これまた万人が認める大御所と、様々な人種と、セクシャルマイノリティーと、ロックと、R&Bと、クラシックと、カントリーと……が1つのショーを作り上げてましたね。考えてみたら去年見たクインシー・ジョーンズのトリビュート・ライブもそうでした。「世の中における音楽の役割/音楽の出来ること」をこれでもか、とショウアップする。見方によっては全方位的過ぎて、抜け目が無く、偽善的、アメリカ的に映るのかも知れませんが、僕はここまでやりきるのは素晴らしいと思いました。

かつてはメインストリームの音楽には音楽業界全体を活性化させる役割があって、インディーズの音楽にはメインストリームの音楽の惰性の部分に対する監視機能みたいなものが含まれていて……っていう表裏一体なものだとずっと僕は思って来ましたが、今やそんな風に説明することすらナンセンスなのかも。

最優秀新人賞を取ったマックルモア&ライアン・ルイスがインディーズで、ソング・オブ・ザ・イヤーがニュージーランド人のLorde(17歳!)、レコード・オブ・ザ・イヤーがフランスのDaft Punk(ロボット!)でしたね。垣根が無いな~。

美人のフィアンセを同席させてた(日本だと難しそう!)マックルモア&ライアン・ルイスが同性愛差別のことをラップした後に、マドンナが出て来て、そこで実際に同性愛者達の結婚セレモニーが実際に行われる、とか。これ、大統領選のキャンペーンではなかなか出来なそうなことだけど、音楽の式典でなら出来ること。





ファレルとスティービー・ワンダーとダフトパンクのコラボがあったり、ポール・マッカートニーとリンゴ・スターでハーフ・ビートルズを結成して、そこにオノ・ヨーコさんが居たり。





キャロル・キングとサラ・バレリスがコラボしてキャロル・キングが未来の才能を讃え、シカゴとロビン・シックがSaturday In The ParkとBurried Linesをメドレーしたり。

ロックの人たちもR&Bの人たちもドレスアップして、「音楽」の名の下に集う、みたいな。

日本にそれが存在しない訳ではないのですが、細分化されてるんだと思うんです。とは言いつつ年に1回、「レコード大賞」的な権威と、「紅白歌合戦」的な全方位的な目配りと、「FNS歌謡祭」的なコラボレーションの妙と、「MTVアワード」的なアンダーグラウンドな才能のプレゼンテーションの場と、「カウントダウンTV」的なチャートアクションと、「CDショップ大賞」的なマニアックな熱さ……etcが一体になったような賞があったら僕は見たい!皆さんはどうですか?

同じ式典でも、ソチ・オリンピックに全く無関心で済みません!!(開会式、見てない……笑)