ついに明日12/14にリリース!土岐麻子ちゃんのオールタイム・ベスト「BEST! 2004-2011」


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実にパンチのあるペンタッチと頬骨。土岐麻子画伯による自画像。



土岐さんの魅力とは、ずばり、もの凄く透明感がありながら、もの凄く個性的であること。そして、とにかくイマジネーションを沸き立たせてくれること。あらゆるタイプの作品と手を繋げるのに、その読解力と表現力で結果すべてをちゃんと土岐麻子のカラーに仕上げる、という彼女のアーティスト性に呼ばれて色んなクリエイターが作品に参加しているのだと思いますし、もちろん僕もそんな中のひとりです。

そんな土岐さんベストの中に収録された新録曲のうちの1曲、『heartbeat』という曲をサウンドプロデュースさせて貰いました。ドラムは坂田学さん、ギターは田中義人くん、そしてベースはOKAMOTO'Sのハマ・オカモトくん。レコーディングの現場には作曲をしたさかいゆう君が遊びに来てくれたのですが……



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他の人たちとは一線を画す、ひとり様子のおかしいテンションで写真に収まるさかいゆう先生(写真中央)。







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興が乗ってイナバウワーのようなポースを取るさかいゆう先生。







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かと思いきや物憂げにピアノを弾き出すさかいゆう先生。





セ、センセイ…(泣)。

酒は一滴も入っていないのにテンションが変幻自在すぎる先生のペースには決して巻き込まれまい。その場にいた皆がそう心に誓うも、なんだかんだで面白がって先生にかまってしまって、結局皆グッタリ。一番年下のハマ・オカモト君が、着かず離れずの絶妙な距離感を保ちつつ、一番大人に対応していました。土岐さんと同じくドSの香りがするのも将来有望です。ちなみに、そんな確乎不動の21歳、ハマくんのブログのベトナム日記 も素晴らしいのでぜひ。

このベスト盤には他にも、初めて土岐さんと一緒に作った作品で、同時録音にトライして、ドラム坂田さん、ギター福原さん、ベース大神田くんというバリ腕ミュージシャンに囲まれて、ガチガチに緊張しながら鍵盤を弾いた『ファンタジア』。

間奏に口笛パートを作るも、肝心の土岐さんが全く口笛が吹けないことが判明して、急遽その場にいる人で口笛トーナメントを開催。結果一番口笛っぽくない雰囲気の人が土岐さんに成り代わり間奏を盛り上げる『smilin'』。

NONA REEVESの奥田くんと丸々一日掛けてアレンジをするも、奥田くんの帰宅後に不要なデータを整理していたら、誤って必要な方のデータを全部消去してしまって、奥田くんに「……川口くん、ロックだね」と言わしめた『How Beautiful』。(怒らずにその一言で済ませてくれたアナタこそが最高にロックだよ、オッケン!)

かねてから一緒に作品を作りたかった田中義人くんのソリッドさと、僕のスウィートネス(敢えて自分で言う)と、土岐さんの世界観が、絶妙かつ抜群な形で融合したと自負している『SUPERSTAR』。

演奏もやり直し、歌も録り直しと、今までの作品の中では1、2を争うほど時間が掛かったけど、個人的には土岐さんの書いた歌詞の中でも1、2を争うほど好きな『ホロスコープ』。

曲のタイトルとは明らかに異なる鳥(何、あの鳥?)と土岐さんがカップルとして戯れるシュールかつサイケデリックなPVも手伝って僕の周りにもカルトファンの多い『Flamingo』。

タイトルだけ先に貰っていて、そこからイメージを膨らませて曲を作ったのでイマジネーションが広がり過ぎて、なんだかんだで完成まで3ヶ月くらい掛かった、土岐さん流シティーポップの集大成、ベースの大神田くんのうねるベースも聴き所の『乱反射ガール』。

土岐さんでどうしても一度やってみたかったメロウで泣きの世界感を土岐さんが見事な歌詞と歌(一発録りだった!)で昇華してくれた夕暮れ時に聴きたい曲No.1の『City Lights Serenade』。

…とまるで卒業式の呼びかけのようになってしまいましたが、そんなたくさんの思い出が詰まった曲たちがこのベストを買うだけで全部聴けるなんて!他も名曲だらけ!アメージング!ぜひご拝聴のほどを。初回限定盤はPV集が付いてます(何気にPVのどこかに僕も出演しています)。尚、つい最近参加した『HIBIKI』、『NEW YEAR, NEW DAY』、『悲しくて笑った』、『Mr. Summertime』はひと月ほど前にリリースされたミニアルバム でしか聴けません。あしからず。

ちなみに、桑田圭祐さんが選ぶ2011年のベストソングは、本作にも収録されてる資生堂のCMソング『Gift ~あなたはマドンナ~』(EPOさん作)だそうです。…すげぇ。土岐さん、やっぱりあなたの歌は何かを呼んでいる!