ネタの作り方④ | 元芸人として・・

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元芸人がお笑いについて真面目に語る場。多少の自己満足あり・・

 では、続いて②、③の部分についてです。


 ②集中したいのに邪魔される

 この部分のベースになっているボケは「いしやきいもの親父がかむ」ということです。これをどう広げるか?世の中には色々な騒音がありますが、考えた末「たけやさおだけ」を使おうという結論に至りました。実は他にも「隣から変な声が聞こえてくる」とか、「外で喧嘩してる」とかも考えたんですが、いいボケが思いつかず、「たけやさおだけ」を使って、確実に笑いをとろうと考えました。それが、「たけやさおだけ~。おいしいよ」というボケです。


 なぜこれが確実に笑いを取れるのか?最初に「いしやきいもの親父がかむ」というボケを入れると、それが「フリ」となるからです。


 どういうことか?不思議なもので「いしやきいもの親父がかむ」という事を聞いた後に、「たけや~さおだけ~」というフレーズを聞くと、人間の思考は「またかむのか?それとも・・・」という状態になります。これは同じパターンだから起きる現象です。笑いは「落差」が基本ですから、この思考を裏切ればいいんです。そこで私がチョイスしたのが「おいしいよ」と一言付け加えることでした。これは、予想できるようで予想できません。なぜなら、たけやさおだけは食べれませんので。

 このボケを活かす方法として、「いしやきいもの親父がかむ」というボケに一言、一読するとそんなに深い意味のあるとは思えない「おいしいよ」という言葉を付け加えました。ですが、この一言があるからこそ、後ろのボケがより活きるということは理解して頂けると思います。


 この技法は「繰り返し」という技法です。(勝手に私が名づけましたが・・・)一度使った言葉をもう一度、あるいは2度3度、関係のないところで使う。という技法です。


 このパターンを作ると、よほどのことがない限り、十中八九は笑いになるし、「面白いこと」ではなくても、笑いが取れるので、楽なんです。ですので、このパターンは普段の漫才でも頻繁に見かけることができます。たいていは3回使うというのがベストかなと思います。


 今、自分のネタのこの部分を振り返ると、もう1つボケを入れるべきだったなと思います。「繰り返し」のパターンを入れたので、この後ろのボケは発想で笑いをとれたなと思います。まあ、その発想が足りないのが、私のおもしろくない原因なんですが・・・


 ちなみに、いしやきいもの予定をカキ氷に変えたのは夏だったからです。それだけです(笑)


 ③いろいろな人が訪ねてくる

 この部分のベースは、「チャイムを連打される」ということでした。これが思いついた段階で少なくとも2パターンは作って、最初は普通に押されるというのを入れないと後ろが活きてこないということになります。


 まあ、ベタといえばベタな発想かなと思いますが、チャイムの音で笑いを取るということはほとんどの芸人さんが、ボケを作れると考えるでしょう。問題は内容です。なぜ「デビルビーム」なのか?最初の段階で連打されるというのは考えていたので、連射された時に面白い言葉を必死に考えた結果です。

 届いたものに関しては、発想だけですね。ただ、①の部分で、「親からの仕送り」というフレーズを使っているので、使わないともったいないなとは思いましたが。基本的に、チャイムの後は何でも良かったという感じです。(ただ、ドモホルンリンクルは俺は充分美白や!とつっこめば、「落差」が生まれるので、笑いはとりやすいかな?と思いましたが)

 

 正直、チャイムは笑いを取れましたが、残りの部分はすべりましたね(笑)でも、こういう発想の部分というのは、その人の「センス」とか「面白さ」が現れる部分なので、ここで笑いを取れてたら、まだ芸人してたかもしれないなとは思います。私の同期とか先輩で、この発想の部分が面白くて笑いを取れる人はたくさんいました。でも、その人たちでも、まだ売れているとは言えません。なぜなら、もっと面白い人がいるからです。そんなことを考えると、凄い人ばかりの世界だなと感じます。


 なぜ、こんなことを公開しているか?それは私のような全然売れないレベルの芸人でさえ、これだけ考えていたという事を知っていただきたかったからです。今、売れている人たちはもっと深くまで考えているし、考えるだけではなく、私には出来ませんでしたが、それを実際に実行できるという技術を持っています。当然、はじめから才能があって出来る人もいるとは思いますが、たいていの場合は、努力し続けてはじめて出来ることです。それがわかるだけに、「キャラがきもい」とか「見た目がきもい」とか言う理由で面白くないと決め付けられるのは、本当に悔しいです。